マンボウの住む家
そうだよと伝えると、芽衣は渋い表情を見せた。
「マンちゃんを一緒に連れて行きたい!」
「そうよそうよ! 私も一緒に連れて行きなさい!」
魚はちょっと黙ってろ。
「マンちゃんだけお留守番は可哀そうだよ。マンちゃんも水族館行きたいよね?」
「行きたい行きたい。ちょう行きたーい」
この魚、芽衣の相手をしている時に余計なことを吹き込んだんだな。
相手が芽衣では分が悪い。
とはいえ、空飛ぶマンボウを一緒に連れて行ったら大パニックになることはほぼ確実である。
マンボウのみ被害がでるのならまだしも、俺や芽衣にも迷惑がかかるのだけは勘弁願いたい。
俺の心読み取ったマンボウは、器用に片目だけでウインクをした。
うわ、キモイ。