危険な賭け……
しませんか?
夕方、
先輩ん家の台所で料理をつくる。
これからお世話になるため、私は家事係を任された。
「なーに作るの?」
「うひゃぁ!」
背後に立っていた先輩が私の首筋に息をかけてきた。
くくく、くすぐったい……!!
「そんなに驚かなくてもいーじゃん。きっずづくーー」
そう言うと先輩は私から離れてダイニングテーブルのイスに座る。
驚くって!そりゃあ!
バクバクと鳴る心臓を必死に落ち着かせる。
「佐原。」
ふいに先輩に呼ばれる。
「耳、真っ赤。」
「ふぇ!?」
とっさに耳を手で隠す。
「かーわいー♪♪」
クスクスと楽しそうに笑う先輩。
なんでー…
「先輩…?」
「なーにー?」
「先輩は…どうして私にここまでしてくれるんですか?」
なんで……
他人の私に、
ここまで…
そんなに優しくされたら……
勘違いしそうになる……
「さぁ…?よくわかんないな…」
わかんない……?
「なんで佐原にここまですんのか……自分でもわからない。」
なに……それ……
「もしかしたら……」
そう言うと先輩は立ち上がって私に近づく。
「………」
キッチンと先輩に挟まれる。
先輩の顔がぐいと私に近づく。
唇が少しでも動けば触れてしまうほど近く………
「俺……」
ービクッ
先輩の吐息が唇にかかる。
先輩は結んでいた私の髪をほどき、一束つかむ。
そして髪を自分の唇へと持って行く。
私の髪に先輩は軽く口づける。
私は先輩の瞳から目が離せなくて……
「佐原の事、好きなのかな……?」
え……………?