危険な賭け……
しませんか?
「キィャァァァ…!!」
悲鳴を上げて、その場にしゃがみ込む。
「ゃ…」
耳を塞ぐけど、雷は鳴り続ける。
さっきの雷と同時に停電に鳴った。
私の唯一怖いもの…
雷。
雷は私の両親が亡くなった時に鳴っていた。
ーゴロゴロゴロ……
「ひっ……」
震えていると……
「佐原」
先輩の声と同時に暖かい体温が私を包んだ。
な……に……?
「佐原」
今度は耳元で
先輩の声が聞こえた。
私………
先輩に抱きしめられてるんだ………!!
「せ、先輩……!?」
「大丈夫だから。怖くないよ。俺が側にいるから……」
そう言った先輩の声は、優しくて、とても安心できる声だった………
「佐原、雷怖いんだな。」
「は、はぃ…両親が亡くなった時、なってて……」
「そっか。一人の時、どーしてたの?」
「ぁ…えと、布団にくるまってます……」
「ぷ、それ意味あんの?」
「す、少しは……!」
今まで、そーやってたし、少しは意味あるはず……!!
と、私は思いたい……(泣)
「ま、これからは俺がついてるから、大丈夫。」
ードキン
え……
今の……何……?
なんで……
ドキッとかしてんの……!!?
ワケ、わかんな……
「佐原?どーした?」
や、やだ……!
ードキドキドキドキ……
し、静まれ!!心臓!!
「さーはら?」
「な、なんでもないです!」
必死に答える。
「雨…やまないな…」
「えぇ…」
そんな会話をしながら、私は先輩に抱きしめながら、雨音を聞いていた………