蜜林檎 *Ⅰ*
「そうか~、そうだったね
 でも、一緒にご飯を食べれる
 のは、事実なんだもの
 いいなぁ」

杏は、瑠璃子とあやめも一緒に
食事に行こうと誘うのだった。

「バカ、誘われてない私たちが
 一緒に行ったら
 不自然でしょうが~
 
 それに、イツキもせっかくの
 オフの時間にまで
 ファンサービスは、さすがに
 疲れちゃうでしょう」

最後に、杏の性格を
よく知っている瑠璃子は
樹からの誘いを、絶対に
断ったりしてはいけないと
強めに言って聞かせた。

「もしもの話だけど
 もしも、アンがイツキと
 付き合う事にでもなったら
 それは、すごく
 嬉しいことだもん
 
 いつも年配の綺麗なお姉さん
 侍らせている訳でしょう
 私たちみたいな一般人でも
 手が届くかもしれないなんて
 すごい嬉しい事じゃん」

「まっ、全くありえない話
 だけどね
 だって、私
 彼氏は作るつもりないって
 イツキに話したもの
 現実の恋愛はいらない」
< 110 / 337 >

この作品をシェア

pagetop