蜜林檎 *Ⅰ*
樹は急いで、その場を離れ
杏を追いかける。
「イッキ」
樹の行動に
誰もが驚いている。
「どうした、イッキ?」
真剣な表情で歩いていく樹に
御手洗いから戻って来た
千里が声をかけたが、彼は
全く気がついていない。
樹は、ドア付近に立つ
ウェイターに杏の事を聞く。
「さっき一緒に来た彼女
どっちに行ったか分かる?」
「確か、左の方へ
走って行かれました」
「ありがとう」
形振り構わず、素のままの姿で
お店を飛び出し、辺りを見渡し
一生懸命に杏を探す樹は遠くに
彼女の姿を見つけた。
「杏ちゃん」
杏は、樹の声に気がついたが
振り返らずに歩き続ける。
何故なら、涙を彼に見られたく
ない為に前だけを見つめていた
杏を追いかける。
「イッキ」
樹の行動に
誰もが驚いている。
「どうした、イッキ?」
真剣な表情で歩いていく樹に
御手洗いから戻って来た
千里が声をかけたが、彼は
全く気がついていない。
樹は、ドア付近に立つ
ウェイターに杏の事を聞く。
「さっき一緒に来た彼女
どっちに行ったか分かる?」
「確か、左の方へ
走って行かれました」
「ありがとう」
形振り構わず、素のままの姿で
お店を飛び出し、辺りを見渡し
一生懸命に杏を探す樹は遠くに
彼女の姿を見つけた。
「杏ちゃん」
杏は、樹の声に気がついたが
振り返らずに歩き続ける。
何故なら、涙を彼に見られたく
ない為に前だけを見つめていた