蜜林檎 *Ⅰ*
「うそ~、ほんとうに」

瑠璃子は大興奮して
ベッドから起き上がる。

「ちょっと
 いろいろあって・・・
 
 また、後で連絡するけど
 今日も、イツキと一緒に
 過ごす事になってるの」

「わかった
 わたしは仕事だから・・
 そうだ、アヤメちゃんと
 一緒に過すことにしなよ
  
 わたしから、アヤメちゃん
 には連絡しとくから・・
 
 とりあえず深い話は無しで
 うまく言っておくから
 任せて」

杏はホッと、息をついた。
  
「ありがとう」

「アン、そうだ
 お姉さん心配してたよ
 ちゃんと連絡しなよ
 酔って倒れてたってね」
 
瑠璃子との電話を切った
すぐ後に、杏は百合の携帯に
電話をかけた。

「もしもし、ユリちゃん」

百合は、いつもよりも早く
目が覚め、食卓に座ってお茶を
飲みながら本を読んでいた。

「アン、あなた大丈夫なの?
 具合悪くなったって・・・」
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