蜜林檎 *Ⅰ*
「俺たち
 そういう関係じゃないだろう
 もう、別れたんだから
 アシスタントの彼氏の元へ 
 帰れよ」

「さっき、別れたの・・・
 また、行くところ
 無くなっちゃった」

「またかよ・・・」

「いつもなら、ここに
 泊めてくれるじゃない」

まりあは、男性と別れる度に
樹の元へ来ては、新しい男を
作って出て行く。
 
そんな事が、今まで何度も
あった。

まりあが、こんな風に男性に
だらしなくなってしまったのは

もしかしたら
 
樹のせいかもしれない・・・

樹の心の奥に住む

女性のせい・・・
 
そんな彼女は、いつものように
甘えた面持ちで樹を、じっと
見つめる。
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