蜜林檎 *Ⅰ*
「はい、大阪に16時前について
 三人で少し早い夕食を
 とり終えたところです」

「俺は、まだ東京だけど
 この後、新幹線で大阪に
 向かうから付いたら逢おう」

樹の言葉に杏は驚きを隠せない

まさか、彼に逢えるなんて

これっぽっちも
思っていなかった。

「大丈夫なんですか・・・?」

「リハは明日だから、今日は
 大阪に入るだけなんだ
 逢えないかな、逢いたい」

杏は、樹の言葉に

胸が苦しくなる。

彼女もまた、彼と同じ
気持ちだった。
 
二人に聞いてから折り返し連絡
すると告げ、電話を切った杏の
鼓動は、急の展開にどんどん
早まっていく。

「イッキさん
 大阪に来てるの?」

杏が事情を説明すると二人とも
自分の事のように喜んでくれた  
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