蜜林檎 *Ⅰ*
「間に合った・・・」
 
樹宛のプレゼントをスタッフの
人に渡して、会場に入る三人。 
 
「うそ~、ほんまに
 そんなんあるん?」

「ほんまやって」

杏と瑠璃子は、大きな声で
関西弁を話すファンの勢いに
圧倒されていた。

すると、あやめの肩を叩き
話しかける女性。

「アヤちゃん、来てたん?」

「ソノさん、久しぶり
 この間のライブ来てなかった
 でしょう、どうしてたの?」

その女性は、左手の甲をあやめ
に見せた、すると薬指に綺麗な
指輪が輝いている。

「結婚したの、おめでとう
 えっ、ショウさんと・・?」
  
「そうやねん、ありがとう
 もう、三年も前の話やねん
 けどね
 できちゃった結婚ってやつ」
 
あやめは、久しぶりに会った
その女性と、とても楽しそうに
会話を交わしていた。
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