蜜林檎 *Ⅰ*
「なんだかごめんなさいね
 私、酔ってたから・・・」

「いえっ
 気にしてませんから」

瑠璃子は、彼女、鏡子と
杏の関係を気にかける。

「ううん
 なんでも無いよ・・・」

「彼女は、メンバーとは
 もうずっと長いからね
 
 悪い人じゃないんだけど
 私も苦手だなぁ
 
 まっ、何を言われても
 気にしないのが一番」

あやめの言葉に、頷く杏。

「うん、そうだね」

会場内へ、マネージャーの
森永さんだけが姿をみせた。
 
彼は、人を捜しているようで
杏の姿を見つけて安堵した
様子で彼女の元へ駆けて来た。

「よかった、あやめちゃんが
 彼女を連れて来てくれて
 いたんだね
 連絡しても、携帯が
 繋がらなくて困ったよ」
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