蜜林檎 *Ⅰ*
杏は、ライブ時に携帯電話の
電源を落としたまま
放置していた事に気がつき
鞄から携帯を取り出した。

「ごめんなさい・・・」

森永は周りの目がある為
杏に小声で話す。

「こちらこそ、忙しくて
 連絡できなくてごめんね
 頼まれていたのに・・・
 
 ところで、イッキにも
 話していますが、くれぐれも
 二人っきりにはならないよう
 に、お願いします」

「はい、分かっています
 心配なさらないで下さい」

会場がどよめき出し、そこに
メンバーが現れる。
 
関係者、みんなが集まり
彼らを取り巻いた。
 
そして、場内は盛り上がる。

樹は杏の姿を探し、二人は
ほんの一瞬だけ
アイコンタクトを交わした。

関係者のみんなに、ビールが
受け渡る。
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