蜜林檎 *Ⅰ*
鏡子は大事にならないように
こっそりと女性店員に話かけた

その様子を樹は、じっと
見つめている。
 
店員とオーナーと鏡子の三人で
話し合った結果、従業員室で
休ませてもらう事を取り付け
彼女は戻って行く。

杏や瑠璃子達が、席に
戻って来ない事をおかしいと
感じた樹は、鏡子と話していた
店員がお酒を持ち傍に来た時に
何かあったのかと話を聞いた。

「杏ちゃん、従業員室で
 休ませてもらいましょう
 従業員用のお手洗いも
 完備してあるそうだから
 気分が悪くなっても大丈夫よ
 
 外へ出れば店長さんが
 手を貸してくれるから」

「アン、どう、立てそう?」

「うん・・・」

杏がその場に立ち上がろうと
したのと同時に、化粧室の外
で男性の声がする。
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