蜜林檎 *Ⅰ*
受けた痛手

貴方の声

旅行から戻った杏に、家族から
驚きの報告があった。

それは、姉の百合がこの度
妊娠したという話だった。

食卓で旅行の話をし終えた後に
妊娠の事を百合から報告された
杏は、とても驚く。
 
そして、すぐ後に
心から喜ぶのだった。

「おめでとう、ユリちゃん」

「ありがとう
 まさかとは思ったんだけど
 この歳で子供を授かるとは
 思わなかったわよ」

「今何ヶ月なの?」

「三ヶ月後半で、後一週したら
 四ヶ月に入るわ」

そこで、黙っていた雅也が
杏に、あるお願い事をする。

「そう言う訳で、ユリは安定期
 に入るまでの一ヶ月間
 店の手伝いができない状態
 になってしまった
 そうなれば必然的に、アン
 おまえに手伝ってもらわない
 事には、お店が回らない」
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