蜜林檎 *Ⅰ*
振り向いた杏を、樹が手招く。
「どうしたの・・・イツキ」
「やっぱり
駅まで送って行くよ
・・・乗って」
駅の前に停車する高級車を
駅を利用する人の、誰もが
見つめる。
「イツキ、ありがとう
気をつけて
行ってらっしゃい」
ドアに手をかけようとした杏に
樹は言う。
「杏、手を出して」
樹は右側のポケットの中に
手を忍ばせた。
差し出された杏の掌に、樹は
合鍵をそっと置き
照れながら呟いた。
「プレゼント・・・」
「どうしたの・・・イツキ」
「やっぱり
駅まで送って行くよ
・・・乗って」
駅の前に停車する高級車を
駅を利用する人の、誰もが
見つめる。
「イツキ、ありがとう
気をつけて
行ってらっしゃい」
ドアに手をかけようとした杏に
樹は言う。
「杏、手を出して」
樹は右側のポケットの中に
手を忍ばせた。
差し出された杏の掌に、樹は
合鍵をそっと置き
照れながら呟いた。
「プレゼント・・・」