蜜林檎 *Ⅰ*
「これを、アンズちゃんが
 ・・・・・」

樹の酔いが一瞬で醒めていく

その後の二人は、全くお酒に
酔う事は無く

みんなと別れた後

樹の部屋へ向かった。

リビングのテーブルの上に
置かれたマッチを、ただ
見つめている。
 
「これを杏が・・・
 杏はユリの・・・」

「親父さんが
 アンズちゃんの父親・・・
 ううん、イッキ・・・
 まだ、そうとは限らないよ
 
 彼女も、誰か知り合いに
 もらったとか
 お店に行ったことがある
 のかもしれない
   
 それに、アンズちゃんと
 ユリちゃんは
 似てないように思うけど」

「杏が、吸わないたばこの
 マッチをもらうとは思えない
 
 それに、似ていない姉妹
 なんて、どこにでもいる」
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