蜜林檎 *Ⅰ*
二人は、川辺で寄り添って
話をしている。

「そう、この調子だと
 メジャーデビューも
 もうすぐだね
   
 すごいね、みんなの夢が
 叶うんだね、おめでとう
 
 おめでとう、イッキ」

樹は夜遅くに、拍手をして
はしゃぐ百合の手をとって
彼女の瞳を真剣に見つめて言う 

「ユリ、今はまだ無理だけど
 音楽で飯が食えるように
 なったら
 俺と結婚してくれないか・・
 ずっと俺の傍にいてほしい」

「イッキ・・・」

彼の言葉に、嘘は無い・・・

「絶対に幸せにするよ」

そう言って照れくさそうに
はにかむんで頬を赤らめる樹

そんな彼が、百合は

愛しくてたまらない。

「うん、わたしもイッキと
 家族になりたい
   
 だから、イッキが成功する日
 をずっと待ってるから
 いつかここへ迎えに来てね」
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