蜜林檎 *Ⅰ*
「俺が急に来たから・・・
 仕事の邪魔してごめん」

「何、言ってるんだ
 おまえに会えるのを俺達が
 どれだけ楽しみにしている
 と、思ってるんだ
 一日ぐらい仕事を休んでも
 構わない
   
 ほら、腹も空いてるだろう?
 どんどん食べろよ」

テーブルの上には、雅也が
心を込めた料理がたくさん並ぶ

「おじいちゃん、ありがとう」
 
杏は、辺りを見渡して
真とナナが居ない事に気がつく

「あれ、シンちゃんと
 ナナは・・・?」

烈に会える時間は

限られている為

ゆっくり、話もあるだろうと

真は娘を連れて、近くに住む
妹の所に出掛けてくれていた。

「ユリちゃん

 理解ある、優しい旦那様で
 良かったね
   
 私、ちょっと着替えてくる」

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