蜜林檎 *Ⅰ*
クラクションを鳴らして
車は走り去る。
大切な人を乗せて・・・
差し出された樹の手は
百合には届かない。
携帯の着信音で目を覚ます樹。
彼は、長い・・・
長い・・・夢を見ていた。
「はい」
「イツキ、今大丈夫・・・?」
愛しい人の声が、耳に優しく
聞こえる。
「杏、逢いに行くよ」
もう、二度と大切な人を
失いたくない。
そう、思う反面・・・
彼は悩む。
『許してもらえないと分かって
いるのに
このまま
杏を繋ぎとめていいのか・・
悲しい思いをさせるだけ』
車は走り去る。
大切な人を乗せて・・・
差し出された樹の手は
百合には届かない。
携帯の着信音で目を覚ます樹。
彼は、長い・・・
長い・・・夢を見ていた。
「はい」
「イツキ、今大丈夫・・・?」
愛しい人の声が、耳に優しく
聞こえる。
「杏、逢いに行くよ」
もう、二度と大切な人を
失いたくない。
そう、思う反面・・・
彼は悩む。
『許してもらえないと分かって
いるのに
このまま
杏を繋ぎとめていいのか・・
悲しい思いをさせるだけ』