蜜林檎 *Ⅰ*
四人は、本当に『青月』へ
行くべきかどうか話し合う。
 
急に行けば、樹と百合が
付き合っていた事実を
知らない杏は、戸惑い
驚くに決まっている。

「一緒に説明しちゃえば
 いいんじゃないの
   
 みんなで一緒に話した方が
 お互いに、本当に伝えたい
 気持ちを素直に言い合える
 と思うけど」

「サクちゃんの
 言うとおりかもしれない」

その場に立ち上げる樹の肩に
手を触れる圭司。

「でも、ちょっと待って
 
 もしもユリちゃんの
 旦那さんがお店に居たら
 どうするの・・・」

「そうだった・・・
 ユリがご主人に俺との事を
 知られていいとは限らない
 
 自殺の件もある
 ご主人がどこまで
 知っているか・・・」

座ったままの朔夜の顔を
しゃがんで覗き込む博臣。
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