蜜林檎 *Ⅰ*
「やっぱり、今日は
 やめとこうよ
 ねえ、サクちゃん?」

朔夜は、そこまで深く考えて
いなかった事を樹に謝るの
だった。

「ごめん、ほんとう
 馬鹿だな俺・・・」
  
「サクちゃん、ありがとう
 おかげで勇気が持てたよ
 昔の事に縛られてる俺じゃ
 先には進めない    
   
 今度、杏にユリとの関係の
 全てを話すよ
   
 それから、二人で一緒に
 居られる為に
 今後どうするべきかを
 じっくり話し合うよ」

「じゃ
 いつもの店に行きますか」

四人を乗せた車は走り出す。
 
少し進んだところで信号が
赤に変わり停車する。
 
横断歩道を手を繋いで渡る
親子がいた。

「かわいいね

 四歳ぐらいかな」 
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