蜜林檎 *Ⅰ*
ちょうど樹達の車の前に
差し掛かった時
横断する少女が転倒する。
泣き出す少女を立たせた母親は
少女の頭を優しく撫でた後に
点滅する信号を見つめて急いで
子供を抱き上げ、樹の車に会釈
をして走って渡る。
「もしかして、今の人・・?」
「ユリだったね」
「ユリちゃん
昔のままだったね」
その時、朔夜は言う。
「イッキ
ユリちゃん幸せそうじゃん」
「ああ、幸せそうだった
・・・・良かった」
樹の中にずっと存在し続けた
百合への罪悪感がスーッと
消えていく。
百合の幸せを願わない日は
無かった。
もしかしたら、彼女は今
泣いているんじゃないか・・・
別れた後から、ずっと樹は
百合への思いに、心を
支配されていた。
百合が幸せでいてくれて
樹は心から嬉しかった。
立ち止まり、車が走り去る方向
を見つめる百合。
「ママ、はやく
おじいちゃん
まってるよ」
少女の手を強く掴んだ。
差し掛かった時
横断する少女が転倒する。
泣き出す少女を立たせた母親は
少女の頭を優しく撫でた後に
点滅する信号を見つめて急いで
子供を抱き上げ、樹の車に会釈
をして走って渡る。
「もしかして、今の人・・?」
「ユリだったね」
「ユリちゃん
昔のままだったね」
その時、朔夜は言う。
「イッキ
ユリちゃん幸せそうじゃん」
「ああ、幸せそうだった
・・・・良かった」
樹の中にずっと存在し続けた
百合への罪悪感がスーッと
消えていく。
百合の幸せを願わない日は
無かった。
もしかしたら、彼女は今
泣いているんじゃないか・・・
別れた後から、ずっと樹は
百合への思いに、心を
支配されていた。
百合が幸せでいてくれて
樹は心から嬉しかった。
立ち止まり、車が走り去る方向
を見つめる百合。
「ママ、はやく
おじいちゃん
まってるよ」
少女の手を強く掴んだ。