蜜林檎 *Ⅰ*
「あまりにも、素敵な曲だから
・・・聞惚れちゃった」
「そうでしょう・・・
私も初めてこの曲を聞いた時
全身鳥肌が立ったもの
それまで一度も聞いた事
無かったくせに、ずっと
この曲を探し続けてたって
思える程
一度、聞いただけで
大好きになった」
それもそのはず・・・
この曲は、樹が幼い杏に歌って
聞かせてくれた曲・・・
この歌を聞きながら、幼い杏は
眠りについた・・・
今までも、杏の部屋から洩れる
『moment』の音楽を聞き
流れる映像を見た事もあったが
ここまで取り乱した事は
一度も無かった。
きっと、樹に似ている杏の彼氏
の姿を見てしまった事が
きっかけで、今まで目を背け
考えないようにしていた
樹が今も何処かで実在する事実
・・・
それを受け入れてしまった
百合の中に芽生えた樹への想い
が溢れ出し彼女の心を掻き乱す
嫌いになって別れたんじゃない
・・・
・・・聞惚れちゃった」
「そうでしょう・・・
私も初めてこの曲を聞いた時
全身鳥肌が立ったもの
それまで一度も聞いた事
無かったくせに、ずっと
この曲を探し続けてたって
思える程
一度、聞いただけで
大好きになった」
それもそのはず・・・
この曲は、樹が幼い杏に歌って
聞かせてくれた曲・・・
この歌を聞きながら、幼い杏は
眠りについた・・・
今までも、杏の部屋から洩れる
『moment』の音楽を聞き
流れる映像を見た事もあったが
ここまで取り乱した事は
一度も無かった。
きっと、樹に似ている杏の彼氏
の姿を見てしまった事が
きっかけで、今まで目を背け
考えないようにしていた
樹が今も何処かで実在する事実
・・・
それを受け入れてしまった
百合の中に芽生えた樹への想い
が溢れ出し彼女の心を掻き乱す
嫌いになって別れたんじゃない
・・・