蜜林檎 *Ⅰ*
「あっ、それ以上言うなら
 
 片付け手伝わないよ」

雅也は、何も言わなくなる。
 
杏は、椅子をテーブルに
一つずつ、上げながら

真剣な表情で話す。

「私、恋愛には
 
 全く興味ないから・・・」

雅也は、流し台の生ゴミを
集めた後、水を流し
 
その言葉を聞き流す。
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