蜜林檎 *Ⅰ*
杏は、どちらを選ぶ・・・

杏の心の天秤は激しく揺れる。

その夜、眠れない杏は

携帯電話を見つめる。
 
すると着信音が鳴り

樹の声がした。

「杏・・・」

「イツキ・・・

 貴方だけでいいよ」

「杏、どうかした?」

『大切なものを失ってでも

 貴方がほしい』
 
天秤は一方へ傾く。

その想いを

貴方は受け止める事が

・・・できる?
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