蜜林檎 *Ⅰ*
何故なら、ドキドキと
うるさい心臓が今にも
口から飛び出しそうだから
・・・
黙って心を、落ち着かせていた

そんな、杏の姿を心配する樹。

「気分、悪い?」

杏は、緊張で言葉が出て
こないまま黙っている。
 
すると、助手席の朔夜が
声をかける。

「大丈夫?
 どこかでジュースでも
 買おうか
   
 ケイ、自販機があったら
 停まってよ」

「いえ、大丈夫です」

走る車内で会話を始める三人。

「無謀だったな
 バレないと思ったんだけど」
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