蜜林檎 *Ⅰ*
「あの、ひとつ
 聞いてもいいですか?」

杏は、思い切って
気になった事を聞いてみた。
 
「何かな?
 答えれる範囲なら
 ねっ、イッキ」

樹は、首を縦に振る。

「あの、どうして
 ショッピングセンターに
 いらしてたんですか?
 
 何か、お買い物ですか?」

「特に用事はなかったんだよね
 イッキ」

「退屈だったから

 気晴らしかな」
 
「そうですか
 気晴らしされるんですね」

「後、トイレもしたかったし」

杏は、驚きを隠せないでいた
憧れの樹の口からトイレ
なんて言葉を聞くなんて・・・
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