蜜林檎 *Ⅰ*
「いえっ
 どちらのドレスも輸入物の
 とても高価な品物ですので」

「譲って頂けると
 
 嬉しいんだけど」

樹は、店長に微笑みかけた。

「わかりました
 あの、できればサインを
 頂けないでしょうか?」

「いいですよ、ドレス
 幾らになりますか?」
 
店長は、カタログを出して
計算をはじめる。
 
その間に、店員が色紙を出す。

「こちらに
 サイン宜しいですか?」

樹は、微笑んで首を縦に振り
色紙を受け取りサインをする。
 
「お店の名前は
(表の屋号を見て)
《天使の衣》でいいのかな?」

「はい、ありがとうございます 
 あの頂いた、こちらのサイン
 お店に飾らせて頂いても
 いいですか?」 

「どうぞ」
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