蜜林檎 *Ⅰ*
「二人には、迷惑をかけて
 しまったから、そのお詫びに
 受け取ってください」
 
杏と瑠璃子は、高価な
プレゼントに戸惑っている。

「俺が、ドレスを
 着る訳にはいかない」

少年のように微笑む
樹を見て、皆は笑う。

「じゃっ、私はそろそろ
 行きますので、後の事は
 宜しくお願いします」
 
二人は顔を見合わせて
樹に御礼を言う。
  
「ありがとうございます」

「今度のライブにでも
 着て来てよ、それじゃ」
 
樹は走って、その場を離れた。
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