蜜林檎 *Ⅰ*
転寝の夢
杏は、樹の声を聴きながら
転寝をしてしまった時に
必ず同じ夢を見る。
母を病気で亡くした頃の杏は
寂しさからいつも、姉である
百合の傍にいた。
百合を母のように慕い、本当の
百合の心の深い傷を知る事も
無いまま、彼女にべったりと
甘えていた。
そんな、百合の傍にいつも
寄り添う男性。
彼は、眠る杏に歌を
聞かせてくれた。
その声は、今も彼女の胸を打つ
優しい声は、樹の声と重なる。
目を覚ました杏は、音楽を止め
鏡に映る自分を見つめた。
日に日に亡くなった母に
似てくる自分の姿を見て
母を想い、そして母に問う。
「どうして、お父さんを
奪ったりしたの・・・
貴女のせいで
あの女性(ヒト)は・・・」
転寝をしてしまった時に
必ず同じ夢を見る。
母を病気で亡くした頃の杏は
寂しさからいつも、姉である
百合の傍にいた。
百合を母のように慕い、本当の
百合の心の深い傷を知る事も
無いまま、彼女にべったりと
甘えていた。
そんな、百合の傍にいつも
寄り添う男性。
彼は、眠る杏に歌を
聞かせてくれた。
その声は、今も彼女の胸を打つ
優しい声は、樹の声と重なる。
目を覚ました杏は、音楽を止め
鏡に映る自分を見つめた。
日に日に亡くなった母に
似てくる自分の姿を見て
母を想い、そして母に問う。
「どうして、お父さんを
奪ったりしたの・・・
貴女のせいで
あの女性(ヒト)は・・・」