蜜林檎 *Ⅰ*
博臣が記憶を辿っていると
その隣で、圭司は言う。

「オミ、昔の女の
 名前じゃないの?」

「あっ・・・そうかも」

「それでは
 退室お願いします」

杏が楽屋を出ようとした
その時、樹はボソッと呟く。

「杏ちゃん、またね」

樹に名前を呼ばれて

杏の心臓は、大きく波打つ。

三人は、会場を出て話を
しながら歩いている。
 
あやめは、瑠璃子から
話を聞いて

只今、大興奮中。
  
「すごい、偶然があるんだね
 イッキさんに
 抱き留められるなんて
 アンちゃん、いいな~」

「でしょう?」

なぜか、自慢気な瑠璃子に
三人は、笑い合う。

あやめは、今日は
姉と一緒にホテルに
宿泊する為

電話番号、メールアドレス等
を交換して別れた。
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