MOMO太郎
桃
その男。
木原節輝。1歳の時実母に川に流される。
その後施設に拾われ9歳の夏まで施設で暮す。
施設を卒園し、子供のいない老夫婦の家に居座る。
老夫婦は優しく、まるで宝石を扱うように接する。
10歳の春、交通事故に遭うが奇跡的に額に傷ができただけで身体には何の影響もなかった。
14歳の春、老夫婦が心中。
14歳の秋、またも交通事故に遭い、今度は全身複雑骨折に遭う。
15歳の冬、雪に埋もれ生き埋めとなり、行方不明。
そして、2年の月日がたった
『おい、しっかりしろ!』
(ん…何か声が聞こえる)
『大丈夫かいな?』
(あれ?目をあけてもまっくらだ…)
『こいつもう死んでんじゃねーの?』
(あ、俯せだからくらいんだ…)
少年はゴロリと180度回転し、ムクリと起き上がった
『大丈夫か?どこか、体に異常はないか?』
2メートルくらいの大男が少年にきいた
「あ、なんか声がエコーみたいに聞こえます…」
『その程度なら大丈夫だろう…熱は…』
大男はそういって少年の額に手を当てようと髪をあげた
『…なっ!この傷……お前、龍神族の末裔か!』
『な、龍神族……』
『ふざけるな、龍神族だと?帰ってくれ、今後一切この村にちかずくな!』