人間じゃない
誕生日
「成功だ！ 完成したぞ！」

初めて聞いた言葉が耳に入った。
あたしはうっすら目を開いて、まわりを見回す。
なんだか無機質なコードやら冷たい器具やらでいっぱいだった。真正面には眩い光がある。

「おい、何か話してみろ！」

ハナシテミロ？
どういう意味かあたしには、わからなかった。

「私の名前は『MA-073』って言ってみな！」

目に変なレンズをつけた人が言った。
すごく勢い付いている。

「ほら、真似して！ 口をこう開いて…」

ウルサイ…

あたしは興奮している奴の顔を寝たまま右手で掴んだ。
掴まれると驚いている。
なんだろうか、目がとっても熱い。
右手に力が加わる。

「ぎっぎゃあああぁぁぁ！」

耳障りな音をだす奴だな、と思った。
さらに力を加えると、握っていたやつは、あたしの力に耐え切れずに破裂する。
赤い液体があたしの顔についた。
手は、握った時に取れた奴の顔の皮を握っていた。
四方八方に赤いのが飛び散って、小さな物体も飛んでった。
ちょっと臭いにおいがする。
そしたら、また白い服を来た、さっきのより若そうな男があたしの前に来たんだ。
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表紙・目次

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