アイゼンハイムからの招待状
洋館サン・ピエトロ


(一)


田舎の道は運転に適していないとつくづく思った。


現在進行形でだ。
きちんとした道路ではなく、むき出しの地面を車で走らせるのは都会育ちの僕に向いていない。


せいぜい気をつけることは稲穂ない田んぼに落ちないように神経を使うことだ。

というのに。


「いた、いた、いた」


「車がつまづく度に言うのやめてほしいな」


僕の集中を欠く助手席の人物。ちらりと見れば、今日のためにと美容室でトリートメントしたらしい栗色の髪が窓から入る陽光で輝いていた。


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