アイゼンハイムからの招待状
「出流さんは……」
当人がいなかった。
部屋を見る分には。外を警戒するため蓮見さんは窓の鍵をあけて、下を覗いていたようだが。
「どこに」
みんなして、はてなを浮かべて。
「まさか……!」
僕は思い至り、足を引きずりながらそこに向かった。
「そーちゃん!」
「雫は来ない方がいいかもしれない……」
僕の言葉と向かう先で、雫も分かっただろう。足を止めた。
目先にあるのは、バスルーム。
「奥様が死んだ場所か」
「はい」
蓮見さんが僕に肩を貸してくれた。
他の人は奥様の死体があるとあってか来ようとしない。
蓮見さんとバスルームへの扉を開けて、すりガラスの向こうを。
「っ……」
悲鳴を呑み込む声。
流石の僕でも、蓮見さんと同じリアクションをしてしまった。