アイゼンハイムからの招待状
「山道に行ったのは二人で一人は帰ってきた、と」
「僕が行きました」
僕を見た国本刑事が眉を寄せる。
「本当かい」
「はい。多分、死体は佐藤さんのかと。でも僕が見たとき焼けただなんて……」
「紛れもない焼死体でしてね。ご丁寧に油まいたらしい。しかもか――」
国本刑事が間を置いて。
「死体は二つあったんですよ」
みんなが息を呑んだ。
「二つ……」
「一つはその佐藤だとしても、もう一つは……身元を確認しようにも綺麗に焼けちまって、判別つかないかもしれませんねぇ」
まいったと言わんばかりに国本刑事は舌を巻く。
新たな死体、その謎に頭を悩ませようにも。
「もう、いいよ……」
疲れきった雫の一言でみんな、考えるのをやめた。