アイゼンハイムからの招待状
リスみたいな子と僕はこの子に思っている。
ちょこまかしてそうな感じの子は、またそれっぽい性格だ。
「いた、いた。もう、運転下手だなぁ」
「こんな道を走ってつまづかない車なんか戦車だけだ。運転の問題じゃない」
「安物な車のせい=貧乏なそーちゃんのせいだっ」
「確かにこのムーヴは一昔流行りに流行った型のものだが。手頃な車だ。僕はこの車を誇りに思おう。貧乏なのは否定しないが。雫(しずく)もだ」
「大学生は貧乏なのよねぇ」
お母さんみたいな感じでため息つく雫には笑ってやらない。
通称、賑やか一人(名付け親僕)。一人でも勝手に盛り上がるスキルを持つ彼女は昔からこうだった。