アイゼンハイムからの招待状
密室殺人
(一)
「し、死んだやと……」
「うそ……」
広間にてみんなを集め、平野さんが途切れ途切れにことの顛末を話せば、まず最初に口を開いたのは荻原さんと二ノ宮さんだった。
「じょ、冗談だよね」
救いを求めるようになーこさんが僕を見たが、僕は首を振るしかなかった。
見るなり、なーこさんが隣にいる蓮見さんの腕を掴んだ。蓮見さんも泣きそうななーこさんを慰める。
「死んだなら、警察には電話したらんかい。救急車でもええから、はよ奥様を連れていってくれな」
荻原さんの言うことはもっともだった。すぐに外部と連絡をしたいとこだったが、平野さんが言いにくそうに。
「電話線が切られていて……。他の外部との連絡手段と言えば、奥様の部屋にあるパソコンでしたが……そちらも同じ状況です……」
平野さんの言ったことに一同目を丸くした。そこで誰もケータイを出さないことから、圏外というのは分かっているのだろう。
「奥様……、奥様っ……」
すすり泣くあんこさんの背中を平野さんがさする。
「ほな、すぐに麓(ふもと)にでもいって連絡でもせえへんか」
「いえ、それが……」