アイゼンハイムからの招待状
平野さんがここで僕に目線を移す。なぜと問われそうな声を感じ取って、僕は説明した。
「これは殺人事件です。まだ犯人がこの辺りをうろついているかもしれません」
は?なんて誰かの声がしたが、構わず続ける。
「小鳥遊さんは殺されました」
「こ、殺されたってまだ決まったわけじゃ。それに鍵、しまってたんでしょ」
二ノ宮さんにいいえという。
「これは完璧な殺人です。僕は小鳥遊さんに話があるという手紙を受け取りました。そんな人間が自殺なんかしますか?第一、電話線が切られたのが納得いかない。密室殺人をしておきながら」
「密室、殺人……」
ミステリで聞きなれた言葉をなーこさんが呟く。