アイゼンハイムからの招待状
「これは犯人の挑戦だと僕は思っています。『部屋に鍵をかけようと殺せるぞ』という具合に、次の犯行を示唆しているようにも感じ取れる」
「ば、馬鹿馬鹿しい!ほなら、皆して麓まで降りればええ!」
「犯人が一人とは限りませんし、どんな武器を持っているのかも分かりません。夜、外灯もない山道を下るのは自殺行為ですよ。ですからみんなでここで固まった方がいい」
僕の言い分にぐうの音も出ないか、荻原さんが黙る。
「……ねえ、この中に犯人がいるとか、ないよね」
「何言うとるんや、桃!」
「だ、だって、こういうのってよく犯人はこの中にいるもんでしょ」
「それは……」
「安心してください、二ノ宮さん。犯人がここにいようとみんなでいれば、迂闊に手出しはできないでしょうし」