Thinking Of You
第1章
*泊めて下さいっ!!
もういい。
俺に生きる理由なんて無い。
どうせ60億分の1なんだ。
俺が死んだからって、世界が変わる訳でも無い。
そう思って、大河にまたがる橋の上から急流を眺める。
覚悟はとっくに出来てる。
後は飛び込むだけ。
……
さようなら。
心の中で呟いて、足を上げた。
その時、
強い風が一瞬だけ吹いた。
「何してるんですか??」
「えっ!?」
驚いて振り向くと、そこには知らない女性がきょとんとして、大きな荷物を抱えて立っていた。
ヤバっ!!!!
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