Thinking Of You
けど、兄さんの言葉はあっけなく無視された。
とうとう裁判も負けてしまった。
冤罪だ…!!
兄さんは最後までそう叫んだ。
裁判所から帰る時、その死んだ友達の母親の呟きが聞こえた。
"所詮日本国籍が無いクセに。 無意味よ。 だってここは日本だもの。"
それを聞いたのと同時に、俺は地面に叩きつけられたような衝動に襲われた。
また、今までに無い怒りが俺の体を支配していた。
それから兄さんは少年院に送られ、家族3人の生活になった。
しかししばらくして、両親が俺を残して母国に帰ってしまった。