Thinking Of You
この先は
覚えてない。
叫んだかもしれない。
逃げ出したかもしれない。
泣いたかもしれない。
けど、俺は医者の言葉を聞いた後の記憶が、どうしても思い出せない。
翌日、創美の葬式が静かに行われた。
涙なんて1滴も出なかった。
ただ、後悔だけがぽつんといただけ。
気付いてあげられなくて、ごめんなって。
"ずっと俺の側にいてくれ"なんてわがまま言って、ごめんなって。
そう俺の中で呟いていた。