声恋 〜せいれん〜




そのあとも自分たちの物をきゃあきゃあ言いながら見てまわるが、話題はどうしても優一くんのことにもどってしまう。




「あ! クレープ食わない? クレープ!」




「もぉ~、ちゃんとしたとこに入ろうよ~、人が多すぎるよ~」




「あ、あの通りの奥に、ちょっとしずか目なカフェがありますよ」




「もう、さ、なんか手づくりしてやったら?」




「うん、それも考えてたんだけどね。とりあえずお礼のクッキーと、お手紙そえて…あと、やっぱりなんか買ってあげたいなぁ…ふだん身につけるものがいいかなぁとか…」




「あ、身につけるものって言えばさ、わたしたち三人おそろで何か買おうっていってたじゃん」




「うん、なにがいいかな、あっ! 優一くんとも、なにかおそろいで買おうかなぁ」




「きゃっ、いいですね、そういうの」




「あー、ダメダメ。男は女と同じの身につけるの嫌がるから。恥ずかしいんだろ、他のやつに見られるのが」




「えー、なんで恥ずかしいのー。蓮也さんなんか、ちゃんと凛ちゃんからもらったレザーのブレスレット、身につけてるよー。かっこいー。妹想いー」




「あー、はいはい」




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