声恋 〜せいれん〜
次の日も、すごく楽しかった。
二人とも目が覚めてちょっとおフトンの中でいちゃいちゃしたあと、朝ご飯を食べて湖に行って釣りをした。
蓮也さんはぜんぜん釣れなくて「ヘタクソ~」って言ったら子どもみたいにヘソを曲げてた。でもわたしが釣れるといっしょになってよろこんでくれた。
そのあとお蕎麦を食べて美術館に行ったり滝を見たり、買い物をしたりして早めに帰ってきた。
野菜をたっぷり使ったシチューを作って、またお腹いっぱい食べた。
そのあとは蓮也さんとまたいっぱい愛しあった。
時間をかけて、何度も何度も、いっぱい抱き合った。
そして夜中にふと目が覚めて、明日はもう帰らなくちゃ行けないと思ったら悲しくて泣いてしまった。
それに気づいた蓮也さんが「どうした?」って頬をなでてくれた。理由を話したらわたしをぎゅって抱きしめたあと、おでこにキスをしてくれた。
「また来ような」
泣いているわたしをなだめるような、やさしい声。わたしは蓮也さんの腕の中で、彼の体温に守られながら深い眠りについた。