声恋 〜せいれん〜
わたしがその話をニコニコしながら聞いていたら、優一くんが言った。
「桜木さんのクラスはなにやるの?」
「え、うちはふつうにメイド喫茶だけど」
「え、じゃあ桜木さんが…」
「うん、あなたの大好きなメイドをやりますわよ、ご主人様」
よろこんでくれると思ったけど、優一くん急にがっかりした顔した。あれ? どうしたんだろ?
「んー…桜木さんに…参加してもらいたかったんだよな…ほら、周りの人と、声を合わすチャンスだと思って…いっつも一人でやってるから、いい機会かと思ったんだ…」
え、じゃあ、優一くん、わたしのためにこの企画やってくれたの?
「あ! ううん、だいじょうぶだよ! ずっとクラスにいないといけないわけじゃないから! 交替したあといけるから、それまで待ってて! 絶対行くから!」
「うん、そうか。よかった」
あ、優一くんうれしそう。きみがうれしそうだとわたしまでうれしくなるよ!