声恋 〜せいれん〜




お話はファンタジーで、街にたどり着いた冒険者たちがごろつきともめている女の子を助けたらその子がオテンバ王女様で、彼女の護衛をさせられるっていう話。




これ…やり方によってはシリアスにも、恋愛モノにも、コメディな感じにもなりそうで…。




「あ、と、桜木さん、でしたっけ? まず台本見てもらった方がいいですよね」




同じ班のボブの女の子が話しかけてくれる。




「あ、ううん、大丈夫、もう前からもらってるし、みんなおぼえてるし」




「え、なに? 自分だけ? それってズルくない? 主役の剣士はオレだからね!」




ズルいってなんだよぉ…。むっ。




「ハッ!! みんなまとめてこの剣のサビにしてくれるぜっ! うおぉらぁ~っ!! …って、これですね?」




シーン。一瞬教室中が静まり返る…。あ、アレ…?




「…剣士じゃなくて女剣士にしたほうがいいみたいですね。剣士は彼女にやってもらったほうがいいんじゃないですか?」




ボブ子がいう。




するとさっき主張した男子以外のみんながウンウンとうなづく。




え…やっていいのかな? わたしが?



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