声恋 〜せいれん〜
「うん、そうですね、そこはちょっと、ためて、そのあと一気にいく感じで…」
「ん…、ちょっとここセリフ変えましょう。『行ってきた』ではなく『行ったのか』で」
テキパキと指示を出す優一くん。んー、いつもわたしにやってるのとおんなじなのに、なんかみんなの前でやられちゃうとなんか…違う…ていうか…ちょっとカッコいいかも? いや、普段から、たよりになるんだけど、なんというか、たのもしさ倍増と言うか、わたしまで誇らしいというか。見てるとついつい笑顔になっちゃう。
「はい、ここで女剣士…」
「ぬぅあ~、ぐはっ、くそ、姫、姫、はやくこの場を~、って、オメーがしがみついてんじゃねェ!
はぁ~、腹減った、飯食っときゃよかったよ…ダイエットなんかしなきゃよかった…」
クスクスと笑う声。
「はーい、桜木さん、毎回アドリブかますのはいいですが、ちょとセーブしましょうねー」
あ…ゴメン…えへっ。でも…みんなの反応があるからすごく楽しいんだよねっ!