声恋 〜せいれん〜
そんなみんなのやり取りが続いて、いよいよ本番の収録ってときに…。
ちょと廊下の方がさわがしくなってきた。なんか…キャーキャーいってる…あ、もしかして…。
それはだんだんとこちらに近づいてきて…。
「あ、ここです、ここ! 『3年4組 CDドラマ制作部』、この教室ですよ!」
「ああ、どうもありがとう」
女の子に続いて、聞きなれたこの声…わたしが、間違えるわけない。
「おじゃましまーす」
「きゃーっ!! 神月蓮也!! ナマ蓮也!! キャッー!!」
「なんでなんで?! なんで蓮也がここにいるのーっ?!」
室内にいた子たちがいっせいにさわぎだす。