声恋 〜せいれん〜
「俺が守ってやるよ、お前を」
きゃーっ、とまわりから黄色い歓声があがる。
このあとすぐこの単なる一市民はあっさりやられるので、ここでは本来笑い声が起こるはずなのだが…。
なんなの、このピンクのムンムンした雰囲気は…いや、わたしもちょっと、きゅんとしちゃったけど…。
蓮也さん、ここはおさえないと…あ、おさえたら余計かっこいいか…うーん、むずかしい。
たった一言、蓮也さんが発するとまわりの、こっちの空気まで変わる。すごいんだけど…なんだろう、なんかちょっとやりにくい?
とりあえずなんとか収録をすませて(ギャラリーが多すぎなかなか集中できなかったけど)、お土産に録ったCDを配って(ほしがる人が群がってなんか優一くん大変だったみたいだけど…)解散となった。
蓮也さんはそのまま女子の集団に囲まれたまま姿を消した…あーあ、わたしも蓮也さんと文化祭まわりたかったなー。ていうかちゃんと帰れるのかな、蓮也さん。心配だなぁ。