声恋 〜せいれん〜
「あ、別に、陽菜に彼のこと見せたかったわけじゃないからね、たまたま、彼がいて、紹介しただけだからねっ!」
なにその『ツンデレいいわけ』。かわいいっての。
「はいはい、わかってます。それにしてもいつもズバズバものを言うすずさんにしては、えらくしおらしかったですなぁ~」
ニヤニヤしながら、わざと意地悪くいう。
「んにゅ~、だってだって、彼の前だと、なに話していいかわかんなくなるんだもん、こう、顔が熱くなって、心臓がドキドキして、まともに顔も見らんないくらいなんだから! メアドだって…きけない…会えただけで…幸せだから」
恋、だな~。初々しいなぁ~。あ、なんかわたし偉そう。でも…うらやましい。
わたしも、持ってた…その感覚。その、感情。